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『国際協力』に具体的な姿を与える英語教育

本日もAO入試対策講座を担当する先生から、ご寄稿いただきました。

我々教える立場の人間が読むべき文章かもしれません。

 私は「将来国際連合で働きたいんです。どうしたらいいですか。」といった進路上の相談を、高校生(特に女子高校生)から毎年受ける。これに対して、私は毎回同じ質問をする。「どういう分野を専門にして、どのような仕事をしたいんですか。」
 この質問に対し生徒はいつも戸惑った顔をして、「はっきりとは決めていません。でも兎に角、国際協力に関わられるような国際機関で働きたいんです。」と答えるのである。そして、このような会話が毎年十人以上の生徒との間に繰り返されるのである。断っておくが相談に来る生徒は極めて真剣で、学業成績・人物共に素晴らしい場合が多い。教員になったころは時間をかけて親切にアドバイスをしていたが、毎年多くの生徒が同じような夢を持っているのはどうしてだろう、と考えるようになった。あるとき次の考えに思いあたった。「もしかしたら彼女らは、プロとしての仕事を通して世界に貢献しようとしているのではなく、単に国連という組織・名前に憧れているだけではないだろうか。」 この推測は、その後多くの生徒と話すうちにほぼ間違いないことがわかってきた。

 では、どうして彼女らは具体的な仕事を先に思い浮かべず、国際的な組織に属することを夢にするようになったのだろうか。私は、その原因の一つは教科書にあると思う。日本外交の柱に国際協力重視・国連中心主義があるため、教科書の国際協力や国連に関する記述は他国の教科書に比べかなり理想的に描かれている。このこと自体は別に非難すべきことではないが、そこでの記述がかなり抽象的・理念的になっており、具体性に欠けるのである。また、教える教師も国際協力の具体的な仕事について詳しく知っているわけではないので、授業はどうしても国連とか経済協力といった言葉の説明が中心になってしまう。その結果、生徒には実際にそこで働いている人の姿が見えにくくなり、観念的仕事・組織に対する理想をかえって強め、具体的な仕事というよりもむしろ国連などの「場」に所属したいと思うようになっていくのではないだろうか。

 私は、生徒が国際的な仕事について具体的なイメージが持てるように、また生徒の観念的な夢に具体的な形を与えるために、英語教育が貢献できるのではないかと考え、次のようなことを試みたことがある。そのとき扱ったテーマは「ララ援助」である。(ララ援助というのは先の大戦後、米国から日本に対してなされた民間援助の一つである) 私は当時書かれた英文資料を用いて、「どのようなアメリカ人が、どのような気持ちからこの援助を始めたのか。援助の過程でどのような反対(戦争直後、アメリカの対日感情はかなり悪かった)に出会い、人々はどのようにそれを克服していったのか。受入れ側の日本は援助を有効に活用するため、どのような体制を整えていったのか。援助はどのような効果を人々にもたらしたのか。何故、援助は日本でうまくいったのか。援助の成果は、ポケットマネーを出してくれたアメリカ市民にどのように伝えられたのか」等々を、生徒に読み取らせるようにしたのである。このような工夫をすることで、ララ援助は単なる「歴史上の言葉」から「国際協力の生きた姿を学べる一つの立派な教材」へと生まれ変わった。今まで「国際協力」や「国際機構」に関して抽象的なテキストしか読んだことのない生徒にとって、汗を流して働く人の姿を中心にしたこの授業方法の効果は絶大であった。

 今、日本は多種多彩な海外援助・国際協力を行っているが、具体的な仕事に従事している人の喜怒哀楽を高校生にありありと伝える教材は殆ど作られていない。残念ながら、今でも国際協力とか国連といった抽象的な言葉が先行し、現場で働く人々の貴重な具体的経験を次の世代に伝えるような授業の工夫は殆どされていないのである。
 ララ援助の授業を通して私の生徒が学んだ最大のことは、「援助は組織が組織に対してするのではなく、人が人に対してするものだ」ということであった。国際的な仕事についての具体的なイメージを持ってもらうためにも、また目立たなくても世界のために黙々と地道に働いている多くの人たちに関心を持ってもらうためにも、ララ援助を使った実践例のような「国際協力に関する面白い英語教材」の作成が我々英語教師に求められていると思う。


「CORE」では、ある一定の英語力がある人は、
興味のある専門分野の勉強を英語で取り組むことが可能です。

国際法、国際協力、核軍縮、宇宙、海洋、北極、エネルギーなど…
ぜひ一度ご相談ください!
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誰が、いつきっかけをつくるか

AO入試対策担当講師より、ご寄稿いただきました。

これから将来の目標を決めようとする、中学生、高1,2生、その保護者の方にぜひ読んでいただきたいと思います。

先生が十数年前に体験した話です。

東京にある日本科学未来館での発見です。
私は前回ここを訪れた時、6時間かけて物理・化学関係のコーナーをまわっていたので、
この日は生命科学関係のコーナーをまわることにしました。
ここでは、タッチ・パネルを通してそうそうたる医学者の生い立ちが聞けるようになっていました。
24人の医学者の話を聞いて、印象に残ったことが2つあります。

一つは、医学者になる大きなきっかけを与えてくれたのが、医師である叔父の場合が多かったということです。
親では間が近すぎて良い意味での動機づけになりにくいのでしょうか。
たまに会い、受けた刺激を十分に反芻できるくらいの距離がある叔父・叔母の方が、
アドバイザーとしては適切なのかもしれません。

また、彼(彼女)らが医師になることを決意したのがわりと早かったことにも驚きました。
適切な人からの、時期を得た適切な刺激が如何に大切か、ということでしょう。
そう言えば、以前勤めていた高校が某大学病院とボランティア協定を結んだ後の懇親会で、
副院長先生がこんなことを力説されていました。
「医師になることを決意する時期は、中学生のころが圧倒的に多い。
彼(彼女)らがどのような医師に育つかは、その時どう思いどう感じたかで大体決まる。
やはり、最初のきっかけはその人の人生に大きな影響を及ぼすのである。」
 
つまり、まわりの大人がそれなりのきっかけを、それなりの時期に与える大切さが示されていると思います。


「東大新聞」に「通年採用」に関する記事が掲載されていました。
次回、詳しく紹介したいと思いますが、
早期に将来の目標を決めなければ、今後は就職活動にまで響く恐れが出てきそうですね。

「興味分野が見つかない」「高校時代から、興味分野をもっと深く勉強したい」
という方は、ぜひ一度ご連絡ください。

平成31年度 東京大学 経済学部 推薦入試

久しぶりのブログ更新となってしまいました…

本日は、
平成31年度 東京大学 経済学部推薦入試につきまして…

平成31年度の経済学部の志願者数は2名でした。

平成30年度は10名、平成29年度は14名、平成28年度は7名です。

恐らく推薦の認知度が上がってきていることもあり、
他学部については、概ね志願者数が増加していることを考えると、
経済学部は、異常に志願者数が少ないように思えます。

これは、
東京大学が求める
「国際的な広い視野を持ち,高度な専門知識を基盤に,問題を発見し,解決する意欲と能力を備える」学生を
高等学校側が育成できないことが一因だと考えられます。

経済学部に興味のある中学生・高校1・2年生は、
ぜひ「CORE」の「AO・推薦入試対策講座」を一度体験してみてください!

東京大学だけでなく、海外の大学へ道が開ける講座内容となってます!

AO・推薦入試対策講座 講師より「北米人と日本人との違い」

30年以上前のことになりますが、北米と日本との比較教育を中心にカナダの大学院で研究したことがあります。この時の経験から気付いた北米人と日本人との違いについて幾つかご紹介します。


 北米の高校にはギター演奏や演劇、結婚式のスピーチ練習といった授業があるなど、履修科目にかなりの多様性が見られます。これは、個性を重視しようとする国民性が、教育現場に対しても多様性を要求しているからだと思います。しかし、これは裏を返せば、国民文化というか、共通基礎教養についてのコンセンサスが社会全体にないことを意味しています。日本が、全国民に対してある一定量の知的文化財産を高校までに教え込もうとしているのとは、全く対照的です。


 更に面白いことに、北米は合理主義社会・目標達成社会のため、自分たちに直接関係のないことまで広く学ばせようとはしません。例えば、日本の高校の世界地理や世界史の授業では全世界・全時代を一生懸命にカバーしようとしますが、北米ではそのようなことはせずに、自分たちと関係の深い地域や時代だけを扱うのです。従って、彼(女)らの世界認識・時代認識というのは、平均的日本人と比べるとかなり偏ったものになります。


 これらの結果、北米の新聞やTV番組の中に、無知から来る報道と接することがよくあります。しかし、彼(女)らは、「真実は対話によって到達できる」というソクラテスの問答法を教育理念の一つとしていることを忘れてはなりません。つまり、反論することによって間違いや誤解は解かれていくものだと信じているのです。討論が盛んなのもその為でしょう。この流れからすると、彼(女)は当然返ってくるだろうと考えていた反論が日本人からなされない時、驚き戸惑ってしまうことになります。北米の人たちは、こういった場合、(判断材料がないので)日本人が何を考えているのかよくわからなくなり、自分たちの主張が日本人に認められたものだと考えてしまうのです。


 闇雲に何でも教え学ばさせようとするのではなく、人との対話・討論によって真実に近づけると考えている北米の人たちと接するには、我々日本人は知的ゲームのつもりで反論や討論をし続けなければなりません。国内的には「沈黙は金」でしょうが、彼(女)らには通用しないのです。

 今後は、反論できる日本人(それもかなりの数)の育成が求められていると思います。新制度大学入試対策の一つの狙い目なのかもしれません。

AO・推薦入試対策講座 講師の実績③

本日は、「AO・推薦入試対策講座」を担当される講師の実績第3弾です!


20年以上前のことである。担任をしていた男子生徒(一年生)から、「春休みに英語の力をつけるため、イギリスへ行こうと考えています。どの学校がいいですか。」との相談を受けた。私は、「高校一年生の英語力なんてたかがしれている。わざわざイギリスまで行く必要はない。英語の勉強なら国内でできる。この時期、どうしても海外に行きたいと言うのなら、英語学習以外を目的にするべきだ。君は確か医者志望だったね。私なら、海外で医療ボランティアに従事している組織(NGO)が行っているスタディー・ツアーに参加するよ。得ることが沢山あるからね。」とアドバイスした。


 数日後、この生徒が「先生、ミャンマーへ医療活動支援に行くことにしました。」と言いに来た。まさか、目的地がミャンマーになるとは予想もしていなかったので、「両親は承諾したのか。」と尋ねると、「行っていいと言ってくれました。」との答え。勧めた手前、彼が無事に帰国するまで心配のし通しだった。


 帰国後、彼にはクラス全員の前で、ミャンマーで経験したことについて報告してもらった。ボランティアの医師や看護師と一緒だったとは言え、想像以上に過酷なツアーだったようだ。ただ、聞いていた多くの生徒たちは、「若い時期に、こんな人たちと、こんな経験ができて本当に羨ましい。」との感想を述べていた。ご両親からは「ツアーを通して、彼は大人になったような気がします。ミャンマーに行かせるのは不安でしたが、本人が自分で探してきたツアーなので、『かわいい子には旅をさせよ』との気持ちから賛成することにしました。今思えば、行かせて本当によかったと思います。」との話を聞いた。


 三年後、彼はある国立大学(医学部)の入学試験に挑戦していた。その面接試験で、思いもかけず、ミャンマーでの経験を話す機会をもらったのである。彼によると、「全ての面接官が自分の話す内容にもの凄く関心を示してくれた。」とのこと。高校生が自分で決断し、経験したこと・学んだことを自分のものにしていく過程は、聞いていて頼もしく感じられたのであろう。彼は見事、この大学に合格した。今は、東京の大学附属病院で医師として活躍している。


 もし、あの時、彼がミャンマーではなくイギリスに行っていれば、面接で注目されることはなく、医学部に合格することもなかったかもしれない。16才の時の彼の決断が、それを可能にしたのである。 
プロフィール

corefukuoka

Author:corefukuoka
福岡市早良区西新の大学受験専門塾
個々の能力を伸ばす超少人数指導
専門特化した「AO・推薦入試対策講座」「難関私大受験コース」や英語の4技能(話す・聞く・書く・読む)を伸ばす「KENSINGTON 英会話」とのコラボ講座が人気。
http://core-fukuoka.com/

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